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幾何学的空間から有機的空間へ

まるで、能。静寂とかすかな音。
モートン・フェルドマンの「ヴィオラ・イン・マイ・ライフII」は現代音楽的。単発の音で、小編成でステージ上に散らばった楽器で音をつくる。音で幾何学的な空間ができあがった。

11月19日の東京交響楽団の定期講演会でのオープニング。指揮は音楽監督のジョナサンノット。

続いてバルトークの「弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽」は陰鬱な雰囲気とスラブ的なダンサブルな楽章が交互に現れる作品。

最後の交響曲はドボルザークの交響曲8番。ベートーベンやブラームスのように4楽章で「完成」させる好局というよりもむしろ、個々の楽章自信を独立したドボルザークのメロディーを楽しめる交響曲。きれいなメロディーが次々と披露される。

プログラムを通して聴くと、最初の幾何学的空間の音楽から豊かなドボルザークの音楽の対比。フェルドマンは音そのものの芸、ドボルザークは劇場。まるでヨーロッパの街で人々が声を掛け合ったり、おどったりする風景を想像できた。

今日のプログラムというのは、ノットが音楽にたいして柔軟で意欲的なんだなと感心し、音楽の楽しみ方の幅を与えてくれた。
ブラボー!

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