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語る、小澤征爾氏。2冊。

写真 53
小澤征爾さんが語った本2冊を読んだ。
「小澤征爾指揮者を語る(↑)」と「小澤征爾さんと、音楽について話をする」
インタビューアは前者がNHKアナの有働さん、後者が、村上春樹さん。
前者は、まあ、優等生的というか、学級委員長とか美化委員がする質問みたいで(ちなみにぼくはよく「飼育委員」をしてました・笑)、小澤さんが答えにもう少し掘り下げて聞いて欲しいところは多かったけれど、後者、村上さんはかなりの音楽ファンで、レコードコレクターなので、質問の仕方がとてもよく、多くのエピソードに彩られている。
レコード(CD)を出してきて、小澤さんのボストンやサイトウキネンとの演奏の違いを聴き比べしたりしている。すると、この時はどうだったとか、今思うとこうだったねえ、とか、次々と面白い話がでてくる。カラヤン先生や斎藤秀雄先生はねえ、と、話が矢継ぎ早に出てくる。

その話が、もう、貴重な歴史。

音楽を愛する気もちが場面場面で想像できる。

マーラーに関しても、僕にとって、マーラーの音楽は支離滅裂のような気がして、難しいけれど、マーラーの生きたウィーンにはそのとき、クリムトやシーレがいて、という話がでてくると、絵画を想像するに、狂気というか、精神の不安定があって、しかし、どこか、その怪しさと対立しているわけではないけれど「美しさ」がある(クリムトの風景画のように)。破綻せずに直感的な美しさは残っている。時代の空気なのか、おなじ空気を吸った世紀末のウィーンの芸術家に思いを馳せた時、マーラーの音楽をすこしだけ面白みを感じた気がした。

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